グループのパーパス、長期ビジョン、新たな中期経営計画について
2023年5月12日
株式会社りそなホールディングス
株式会社りそなホールディングス(社長 南 昌宏)は、本日、りそなグループのパーパス、長期ビジョンを制定し、2023年度からの3年間を計画期間とする新たな「中期経営計画(「リテールNo.1」実現への加速)」(以下、本計画)を策定しましたので、以下のとおりお知らせいたします。
りそなグループ(以下、当グループ)は、2003年の預金保険法に基づく公的資金の注入とりそな改革のスタートから20年を迎えます。国民の皆さまからお預かりした3兆円を超える公的資金を2015年に完済するとともに、りそなのDNAである「変革」に挑戦しつつ、お客さま・地域社会の信頼に応え、ともに成長する、という経営の軸をぶらすことなく、今日まで取り組んでまいりました。
一方で世の中は、サステナビリティ・トランスフォーメーション(以下、SX)、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)といった潮流等の歴史的な構造転換期にあり、お客さま・地域社会のこまりごとは一層多様化・高度化していくことが予想されます。
当グループとしては、社会・環境がいかに変わろうとも、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫き、これまで以上に社会に貢献することで、全てのステークホルダーとともに成長していきたい、と考えております。
りそな改革のスタートから20年の時を経て、これまでの歩みを忘れることなく次世代に繋ぎながら、「リテールNo.1」実現に向けた新たな挑戦への一歩を踏み出してまいります。その針路をより明確にするため、今般、当グループでは、創業以来、経営の根底に流れる想いを「パーパス」・「長期ビジョン」として制定するとともに、2030年度をターゲットとする「サステナビリティ長期指標」を設定いたしました。
また、長期的な戦略の方向性を、「これまでのビジネス構造・経営基盤を変革するコーポレートトランスフォーメーション(以下、CX)」とし、そこからのバックキャストによって本計画を策定いたしました。
「リテールNo.1実現への加速に向けてCXに取り組む最初の1,000日」と位置づける本計画では、SX・DXの潮流等を見据えた「変化への適応」および「収益・コスト構造改革のさらなる加速」を図るべく、「価値創造力の強化」「経営基盤の次世代化」に取り組んでまいります。
1. りそなグループが長期的に目指す姿
- りそな改革のスタートから20年の節目に、今日まで築き上げたりそなのDNAである「変革への挑戦」を次世代に繋ぎながら、「リテールNo.1」実現に向けて加速します。
- 一方で、SXやDXの潮流等の歴史的な構造転換期において、お客さま・地域社会のこまりごとは一層多様化・高度化していくことが予想されます。また、当グループの特性である「リテール」や「地域に根差した4つの銀行を中心としたマルチリージョナル体制」は、地域密着型のきめ細やかなビジネス展開を可能とする反面、高コスト性を内包しており、収益・コストにおいて構造的なミスマッチが生じております。
- これらの課題を克服し、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫きながら、これまで以上に社会に貢献していくためには、当グループ自らが、「これまでのビジネス構造・経営基盤を変革するCX」に踏み出さなければならないと認識しております。
- CXに向けて、多様化・高度化するお客さま・地域社会のこまりごとに応えるための「価値創造力の強化」と、自らが変化に適応しながら、多様な価値創造・提供を可能にする「経営基盤の次世代化」に取り組みます。
- これらの長期的な取り組みを通じて、持続的な社会価値・企業価値の向上、および、「リテールNo.1」実現を目指します。
2. パーパス・長期ビジョンの制定
- これまで培ってきた金融サービスの強みを活かしながら、従来の金融サービスの枠にとどまらず、新たな価値の創造を通じてこまりごとを解決していくこと。そして、これまで以上に社会に貢献し、地域・リテールのお客さまにもっとも支持される存在になること。当グループの根底に流れているこの想いを「パーパス」・「長期ビジョン」として明文化いたしました。
- 今般明文化した「パーパス」と、当グループがこれまで大切にしてきた「経営理念」を経営の根幹に据え、さらに「長期ビジョン」を掲げることで、グループの総力を結集し、未来志向で、長期的なCXに取り組んでまいります。
りそなグループの理念体系
パーパス
- 将来にわたり「社会にどのように貢献するか」を示した、お客さま・社会起点の志
- パーパスに込めた想いは、以下のとおりです。
経営理念
- 当グループがこれまで大切にしてきた原点であり、「社会のなかでどうありたいか」を示した、企業・経営者起点の信念
- 「りそなショック」を決して風化させないためにも、経営の意志として原形のまま活かし続けます。
長期ビジョン
- パーパスと経営理念を根幹に据え、長期的に目指す姿
- 地域・リテールに特化する、創業から変わらぬ想いを明確にしております。
3. 中期経営計画
Ⅰ.計画期間
- 2023年度~2025年度(2024年3月期~2026年3月期)
Ⅱ.本計画の位置づけ・ポイント
- 本計画を「リテールNo.1実現への加速に向けてCXに取り組む最初の1,000日」と位置付けます。
- 本計画では、SX・DXの潮流等を見据えた「変化への適応」および「収益・コスト構造改革のさらなる加速」を図ります。
- これらの実現に向け、リテール特化の歴史の中で培ったグループの強みを活かしたビジネスの深掘と、新たな価値の創造への挑戦を通じた「価値創造力の強化」、グループ連結運営のさらなる強化と、一体的な基盤改革を通じた「経営基盤の次世代化」に取り組んでまいります。
Ⅲ.経営指標
- 本計画の最終年度における主な経営指標は以下のとおりです。
Ⅳ.価値創造力の強化
深掘・挑戦
- 事業・資産循環、社会構造転換の促進に向けて、前中期経営計画から進めてきた注力ビジネスへの人的資源投入、投資、資本活用を、引き続き強化してまいります。
- 具体的には、中小企業向け貸出、承継等における、コンサルティングの質・量の拡充、ファイナンス力の一層の強化を図ります。
- オールりそなで、「お客さま基盤」「機能」等、グループの潜在力の最大限発揮に取り組みます。
- また、キャッシュレス・DX、資産形成サポート等における、テクノロジー・データの利活用を通じた、より広く価値を届ける「仕組み」の拡大を図ります。
共創・拡大
- インオーガニック投資や、地域金融機関・異業種等との共創基盤である金融デジタルプラットフォームを通じて戦略的提携を拡大させ、 「お客さま基盤」「経営資源」「機能」の拡充を図ってまいります。
中小企業向け貸出 |
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事業承継・資産承継 |
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キャッシュレス・DX |
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資産形成サポート |
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企業年金 |
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住まい |
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Ⅴ.経営基盤の次世代化
- 多様な価値提供を支え、変化に柔軟かつ敏捷に適応していくため、ガバナンス、人的資本、知的資本の次世代化を、人的資源投入や投資拡充を通じて、一体的に進めてまいります。
ガバナンス |
グループガバナンスの強化、リスクガバナンスの高度化
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人的資本 |
「価値創造」「Well-being」の実現、3つの柱(エンゲージメント、プロフェッショナル、共創)の共鳴
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知的資本:業務プロセス |
お客さまと向き合う時間の最大化に向けた、業務プロセスの解体・再構築
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知的資本:チャネル |
リアルとデジタルの一体化、データ利活用の高度化を通じた、お客さまへの新たな体験の提供
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知的資本:システム |
汎用化・オープン化・スリム化
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Ⅵ.資本マネジメント
- 健全性を維持しながら、成長投資や株主還元の拡充に資本を活用することで、企業価値向上の実現に取り組んでまいります。なお、資本収益性の指標として、ROE8%を目指してまいります。
健全性
- 自己資本比率については、現在適用している国内基準において十分な水準を維持するとともに、国際統一基準においても、普通株式等Tier1 比率10%台(バーゼル3最終化完全実施ベース、その他有価証券評価差額金除き)で運営してまいります。
成長投資
- お客さま・地域社会のこまりごと解決に資する貸出の増強等に加え、「お客さま基盤」「経営資源」「機能」の拡充を目指すべく、インオーガニック投資に取り組んでまいります。
株主還元
- 安定配当を継続するとともに、総還元性向の水準の50%程度への引き上げを目指してまいります。
4. サステナビリティ長期指標
- 持続的な社会価値・企業価値向上への取り組みを加速させるべく、2030年度の達成を目指す指標を設定いたしました。
- お客さまのこまりごと・社会課題解決を通じて、マルチステークホルダーにとっての様々な価値の向上に貢献する企業を目指し、従業員一同取り組んでまいります。
新設項目について
価値創造力指数
- こまりごと・社会課題の多様化・高度化にお応えするため、様々なソリューションを創造し・お届けできているかを「価値創造力指数」として定義します。本指数の倍増を長期指標として掲げることで、お客さま・社会にとっての様々な価値を向上させるための取り組みを促進します。
Well-being指数
- 価値創造や経営基盤の次世代化を担う、当グループの従業員の「仕事と生活の充実」が欠かせないという認識のもと、本指数の向上を長期指標として掲げることで、従業員にとっての価値を向上させるための取り組みを促進します。
投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロ宣言、電力セクター中間目標
- 既に設定済みの自社のカーボンニュートラル目標に加え、「2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロとすること」を宣言いたします。
- また、その達成に向けた2030年度のマイルストーンとして、「電力セクターにおける中間目標」を設定いたします。電力はあらゆる産業・生活の基盤であり、電力セクターのさらなる脱炭素化は、当グループの投融資ポートフォリオの多くを占めるリテールのお客さまの脱炭素化にも不可欠であると認識しております。
- さらなる再生可能エネルギーの普及、トランジションや技術革新に取り組む発電事業者を支援することで、当グループが地盤とする地域社会のカーボンニュートラル実現を目指してまいります。
- ※1国内預貸金利益+円債利息等(円債利息・金利スワップ収益)+フィー収益+経費
- ※2親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均)
- ※3国際統一基準・バーゼル3最終化ベース(完全実施基準) 、その他有価証券評価差額金除き
- ※4FTSE Blossom Japan Index、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数、MSCI日本株女性活躍指数、Morningstar Japan ex-REIT Gender Diversity Tilt Index
- ※5りそなホールディングス、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらいフィナンシャルグループ、関西みらい銀行、みなと銀行の合算