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社長メッセージ

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「リテールNo. 1」の
実現へ向けて

取締役兼代表執行役社長

南 昌宏

「リテールNo. 1」の実現へ向けて

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取締役兼代表執行役社長

南 昌宏

  • りそなグループ統合報告書2021(2021年7月発行)からの転載です。

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。また、新型コロナウイルス感染症により、様々な影響を受けられた皆さま方に、心からお見舞いを申し上げますとともに、医療従事者の方々をはじめ、社会・経済活動を維持するために、ご尽力をいただいているすべての皆さまに、心から感謝申し上げます。

りそなグループは、徹底した感染防止対策により、お客さま、従業員の安心・安全を確保したうえで、お客さまの生活や事業を守ることを最優先に業務運営を継続してまいりました。今後も、社会インフラの一翼を担う金融機関として、円滑な金融サービスの提供に努めてまいります。

2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動はもとより、我々の生活様式にも大きな変化が生じました。これまでの常識や価値観が大きく揺さぶられ、後に転換点といわれるような、歴史的な一年だったと思います。

こうした状況下、企業としての存在意義や社会的価値、家族とのコミュニケーションやワークライフバランスなど、あらためて様々なことを考え直す機会になったという方も、多かったのではないかと思います。

また、SDGs、ESGの流れは一気に加速し、地球温暖化・気候変動への対応をはじめとして、ビジネス全般に様々な影響を与え始めています。我々金融機関にとっても、グループをあげて、お客さまとともに取り組むべき最重要課題の一つだと認識しています。

本統合報告書では、りそなの原点に立ち返りながら、我々が目指す姿、「りそなのSDGs経営」について、お伝えしていきたいと思います。

りそなの原点

2021年4月1日、関西みらいフィナンシャルグループ(KMFG)の完全子会社化が完了し、新生りそなグループとして新たなスタートを切りました。こうしたタイミングをとらえ、今一度、りそなの原点について、ステークホルダーの皆さまと共有をさせていただきたいと思います。

本邦最大の信託併営リテール商業銀行グループ

りそなグループは、その起源をたどると100年以上の歴史を有し、その間、多くの方々に支えられながら、「リテール顧客基盤の拡充」「地域に根差したリレーション力」「フルラインの信託・不動産機能」「年金運用で培った運用力」といった、りそならしい強みに磨きをかけてきました。

また、本邦最大の信託併営リテール商業銀行グループであること、これ自体がユニークであり、りそなの競争力の源泉でもありますが、もう一つ、「りそなショック」以降にグループをあげて取り組んできた一連のりそな改革の経験値が、現在のりそなを根底から支える原点だと考えています。

りそな改革

「りそな改革」は2003年、JR東日本からりそなホールディングス会長に転じた細谷英二元会長(故人)のリーダーシップのもとでスタートを切りました。2003年に経営理念を刷新し、それを踏まえて制定した、りそなグループ行動指針「りそなSTANDARD」の前文には、「『企業は、お客さまや市場に価値を提供することが存在理由』であり、『社会に何をもたらすために存在するのか』という基本命題を正面に据えながら経営の原点に立ち返る必要がある。」、そして、りそなグループが持続的に成長していくためには、「良きことを行う企業」であること、その企業で働く人は「良き人間」であることなどが記されており、これがりそなのSDGs経営の原点だと考えています。

りそなが目指す姿(長期展望)

りそなのSDGs経営

りそなのSDGs経営は、お客さまのこまりごと、社会課題を起点に、あらためてビジネスを考え抜くことを出発点としています。お客さまのこまりごとを見据え、りそなの強みを活かしながら、我々自身が先んじて変化に適応していくことで、お客さまへの新たな価値提供を目指してまいります。

そして、りそなが掲げる「リテールNo. 1」は、「持続可能な社会への貢献」と「りそなグループの持続的な成長」が共鳴するその先にあると考えています。

少し具体的に、長期的に目指す姿を、2点お示ししたいと思います。

リテールのお客さまのSXに最も貢献する金融サービス企業

1点目は、「リテールのお客さまのSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)に最も貢献する金融サービス企業」でありたいということです。2021年6月、りそなのサステナビリティ長期目標を掲げました。

お客さまのSXをサポートする「りそなリテール・トランジション・ファイナンス」は、2030年度までに累計10兆円の取り扱いを目指します。りそなは、地域のお客さまとともに歩む金融グループであり、地域社会・地域経済の持続的な発展なくして、りそなの成長はありません。だからこそ、中堅・中小企業、個人を中心としたお客さまの取り組みをしっかりとサポートさせていただく「りそな流」の脱炭素ビジネスを展開してまいります。

カーボンニュートラル目標としては、2030年度までにりそなグループが排出する温室効果ガス(GHG)を実質ゼロとすることを掲げています。

また、りそなホールディングスの女性役員比率を2030年度までに30%以上に引き上げることも目標としました。まずは数値目標を定めつつ多様性の確保を急ぎますが、これを通過点とし、多様性に富む経営幹部層の育成・登用を目指してまいります。ダイバーシティは、お客さまに満足を超える感動を提供するための礎であり、企業のさらなる柔軟性、強靭性につながるものと確信しています。

収益・コスト構造改革の実現

2点目は、中長期的な収益・コスト構造改革の実現です。国内金利が、1991年以降、ほぼ一貫して低下傾向にあるなか、預金と貸出金の金利差を主要な収益源とするビジネスモデルは、新たな局面を迎えています。社会・産業構造が変化し、お客さまのニーズが多様化・高度化・複雑化するなかで、今後の金融サービスは大きく2つの軸を意識し、強化を図る必要があると考えています。1つは、対面を中心に展開する奥行きの深いコンサルティングビジネスの領域、もう1つは、日常の事業活動や日常生活を支えるための圧倒的な利便性を持つデジタル金融サービスの領域です。この2つの領域を同時に強化しながら、中長期的な収益・コスト構造改革を目指します。具体的には、①抜本的な業務プロセスの改革を出発点に、②全員コンサルティング体制への移行、③ネットとリアルの融合を前提とするネットワーク改革、④次世代を支えるシステム改革、さらには⑤共創型プラットフォームの構築など、現在、グループをあげて取り組む一連の改革を通じて、着実な前進を図りたいと考えています。

こうした取り組みを通じて、長期的に、フィー収益が総コストをカバーする収益構造への転換を目指してまいります。

そのためには、これまでの価値観や銀行の常識を捨てる勇気を持ち、ビジネスのあり方についても見直しを行っていく必要があります。一方で、こうした中長期的な変革を成し遂げるためには、高度なガバナンス体制が不可欠です。当社は社外取締役が取締役の過半を占め、多彩で経験豊かな社外取締役の視点が経営に十分に活かされるなど、経営の意思決定の透明性と公正性が担保される体制にあります。そして、何よりもその実効性の高さが、当社グループガバナンスの強みであると考えています。

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中期経営計画の進捗(中期展望)

レゾナンス・モデルの確立

2020年5月に公表した中期経営計画では、様々な共鳴(レゾナンス)を通じてお客さまに新たな価値を提供する「レゾナンス・モデルの確立」を掲げています。具体的には、既存ビジネスの「深掘」、新たなビジネス領域への「挑戦」、そして、この2つのチャレンジを支える次世代に向けた「基盤の再構築」の3つの柱で構成されています。現中期経営計画は、コロナ禍以前に、社内で多くの議論を積み重ねて策定したものですが、結果として、我々が目指す方向性は正しかったのではないかと考えています。

「基盤の再構築」

世の中が変わり、お客さまの金融行動が変われば、我々のビジネスもまた新たな進化を遂げる必要があります。こうしたなかで、どうしても解決しなければならない課題、それは、現行の稼ぐ力(収益力)と、支えている仕組みやプロセス、コスト構造のミスマッチを断ち切ることです。

そのための「基盤の再構築」であり、必ず乗り越えなければならない重要課題の1つであると認識しています。

DXや断捨離を変革ドライバーとする業務プロセスの解体・再構築を起点に、経営資源のシフトを図り、営業スタイルを変え、チャネルネットワークを見直します。そしてこれらを支える人事やシステム面についても、一気通貫での次世代化を目指します。現行の中期経営計画の期間よりも少し長めの時間軸になりますが、将来を見据えてさらなる挑戦を続けます。

そして、こうした変革を成功に導くうえで最も重要なファクターはやはり「人財」です。DXを完遂するのも、そして、その恩恵を受けるのもまた「人」です。多様性や専門性が、イノベーションを生み出す原動力であるとの認識のもと、2021年4月、複線型の新人事制度に移行しました。女性管理職比率が30%を上回るなど、多様性に富む人財ポートフォリオは、すでにりそなの強みの一つとなっていますが、さらに60代の働き方についても自律的な選択ができるよう、「選択定年制」を導入しています。変化の時代にあって、企業の競争力は、いずれ個人のマーケットバリューの総和に近づいていくものと考えています。今後も、ワークライフバランスに応じた多様な働き方を支援するとともに、外部競争力のあるプロフェッショナル人財の育成を急ぎたいと考えています。

また、KMFGの完全子会社化を踏まえ、グループベースでのチャネルネットワークの最適化についても検討を重ねています。エリアベースでの営業店チャネルの見直し、店使命の適正化、店舗のリプレイス・ダウンサイジングなどを通じて、お客さまの利便性に留意しつつ、グループの拠点数を3年間で2割程度削減します。

これまでは、営業店チャネルがお客さま接点の中心でしたが、りそなグループアプリのダウンロード数が400万件を突破し、リアルとデジタルがシームレスに融合する世界観が現実のものとなっています。スマートフォンの国内普及率が80%を超えるなか、お客さま接点の質・量両面での拡充が新たなビジネス展開の大きな鍵になるものと考えています。

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「深掘」「挑戦」

「深掘」とは、100年を超えるリテール特化の歴史のなかで培ってきたりそなの強みにさらに磨きをかけ、お客さまのこまりごとを最適なソリューションをもって解決することです。例えば、超高齢社会における承継、資産形成などのサポートは、まさにりそなの強みを最も活かすことのできる領域であり、わが国の社会課題の解決にもつながるものと考えています。

りそなショック時に学んだ「銀行の常識 世間の非常識」という考えのもと、りそなグループに根付いた「変革のDNA」をこれからも継承していくことが我々の責務でもあります。そして、「挑戦」は、この「変革のDNA」から連なるものです。昨年、オープン・イノベーションの共創拠点「Resona Garage」を立ち上げましたが、若い社員を中心に小さな成功体験を積み重ね、健全な危機感を共有しながら、恐れることなく新たなチャレンジを続けてまいります。

これまでの発想にとらわれることなく、外に開き、異業種や地域金融機関の方々が持つ様々な知見やノウハウ、お客さま基盤とつながることで、新たな化学反応を起こしたいと考えています。そして、お客さまを含めたWIN-WINの関係をベースに、新たなエコシステムの形成を目指します。

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2021年3月期の振り返りと2022年3月期の取り組み(短期展望)

コロナ禍で変化するお客さまのこまりごと

2021年3月期は、これまで経験したことのない事業環境下にあって、円滑な資金提供はもとより、コロナを経て顕在化・変化するお客さまのこまりごと・社会課題の解決という軸を決してぶらすことなく、1年を通じてお客さまの声に耳を傾けてまいりました。例えば、2021年3月期の承継信託の新規利用件数は、前期比+40%と大きく増加。お客さまの事業や資産の承継に関する意識は確実に高まっており、M&A、不動産ビジネスを含めて、今後に期待が持てる状況です。また、ファンドラップやiDeCoをご利用いただくお客さまも着実に増加するなど、「将来への備え」に対する意識にも変化があったのではないかと考えています。

また、不確実性が増すなか、法人のお客さまの資金繰り・手元流動性の安定化ニーズなども高まりましたが、こうしたなかで、りそなと初めてお取引をいただくお客さまも増加し、取引基盤の裾野は大幅に拡大しました。

今後については、アフターコロナも見据えながら、多様化・高度化・複雑化するお客さまのニーズに高いコンサルティング能力をもって、迅速にお応えできるかが勝負の分れ目だと考えています。

また、新しい生活様式が広がるなか、非対面・非接触のお取引も拡大しました。デビットカードは発行枚数が1年間で42万枚、20%程度増加し、りそなキャッシュレス・プラットフォームをご利用いただける店舗も着実に増加しています。

今後、逆境をチャンスに変え、さらなる成長軌道を描くために重要なことは、りそな自身が恐れずに変わり続けることだと考えています。これまでの銀行の常識や価値観にとらわれることなく、これからも新たな発想を持って変革に挑み続けます。

「攻め」と「守り」両面の態勢強化

2022年3月期も、コロナに関しては、一進一退を前提に、正しく恐れることが重要だと考えています。一方で、ワクチン接種の広がりは大きな希望であり、欧米諸国でも見られるように、これまで抑制されていた消費活動や、先送りされてきた設備資金需要などが反動的に増加する可能性も視野に入れておく必要があります。いずれにしても、マクロの視点から社会・産業構造の中長期的な変化を捉えながら、個々のお客さまの変化に寄り添い、一歩先をいくきめ細かなソリューション提供を実現すべく、「攻め」と「守り」両面での態勢強化を図ってまいります。

また、2018年4月にスタートし、本年4月に完全子会社化を完了したKMFGについては、これまで取り組んできた地均しのステージから、グループシナジーという明確な結果を追求する局面へ移行していくこととなりますが、生産性の向上はもとより、トップラインシナジーにも手応えを感じ始めています。例えば、2021年3月期にKMFGで承継信託を新規にご契約いただいたお客さまは前年比+111%、同様にファンドラップの残高は+140%となっています。今後、りそなが持つ多彩な商品・サービスやソリューションのグループ展開が一気に加速していくことを期待しています。

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おわりに

新型コロナウイルスとの戦いは、いまだ収束を見通すことはできませんが、常にお客さまと寄り添い、希望をもって前に進みたいと考えています。VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)と称される時代に新型コロナが直撃しました。また、現在は、情報産業革命が進行し、SDGs・ESGの潮流が加速する大きな転換点にあります。こうしたなか、我々は、どんな状況にあっても、インテグリティ、すなわち「利己を排し、謙虚で誠実である」という変わることのない価値観をベースに、「お客さまのこまりごと」「社会課題」の解決に向けて、全力を尽くす金融グループでありたいと考えています。

お客さまを成功に導くことができなければ、りそなの成功はありません。そして、お客さまが望む価値を提供することができなければ、りそなだけが繁栄することもありません。今後も、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫き、地域経済の発展に貢献するとともに、従業員一人ひとりが成長できる良き企業を目指してまいります。

ステークホルダーの皆さま方の一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。